ルークの相場展望

Luke’s Eye(ルークズアイ)拡大版


自己紹介 バックナンバー メール


[2001/10/31(水) am10:00]

コムシスショック!

 29日の東京株式市場は日経平均株価が続落。
25日移動平均からの上方かい離が5%を超えるなど過熱感を背景に、日銀が金融政策の現状維持を決定したことで、材料出尽くし感からいったん利益確定の動きが広がった。


 24日の富士通、25日のソニー、26日の東芝、NECとハイテク企業の決算発表が続き、2002年3月期の赤字や大幅減益予想が相次いだものの、「株価はすでに織り込み済み」とばかりに波乱なく通過した感がある。ただし、相場を下支えしてきた内需関連には新たな波乱要因が生じている。



コムシスショック――。
29日の東証株価指数業種別の値下がり率上位には建設、不動産、卸売業などの内需関連が並んだ。その"悪役"とされるのが25日に業績予想を下方修正したコムシスだ。内容自体は2002年3月期の単独経常利益を従来予想の118億円(前期比2%増)から81億円(同30%減)に引き下げただけ。


 しかし、株価は26日朝方から売りが殺到。結局ストップ安で比例配分し、990万株近くの売り注文を残した。週明け29日も売りは止まらず、2営業日連続のストップ安比例配分にもかかわらず、なお910万株の売りが消化できていない。この間の株価の下げは400円に達し、利益にしてわずか37億円の修正が、同社の時価総額を500億円以上も吹き飛ばした形だ。


 過剰反応とも思える売りは何なのか。
 同社株の格付けを一気に四段階引き下げた国際証券の水谷敏也アナリストは「建設セクターの中での業績や財務の安定性から機関投資家が優良銘柄として保有してきた反動が大きい」とみる。

 水谷氏によると、過去10年でコムシスに代表される通信工事関連の業績実績は、光ファイバーや携帯電話向け工事の拡大などによる堅調な手元工事で、会社予想の範囲内にほぼ収まっていたという。

 ただし、コムシスが2期連続で下方修正するなど、ここにきて業界内での競争激化や主要顧客のNTTの合理化によるしわ寄せで受注単価の下落が顕著。ひところに比べ通信市場=成長市場とのイメージは崩れつつある。

 業績不安がつきまとうハイテクとの相対比較で物色された内需関連だが、実態悪を反映するのはこれからなのかもしれない。



ルーク luke@kakekomidera.net
「ルーク証券会社」というサイト http://www.sh.rim.or.jp/~redlands/


TOPに戻る




[2001/09/20(木) pm1:00]

テロの日は朝から大変でした!

 私はアメリカ系の投信会社に勤めているんですが、まず会社に来るとアメリカの本社から「NYオフィスの人間は全員無事です。」という旨のメール。その後しばらくして、NYに出張中の会社の上司から「日本に帰るのは遅れそうですが、無事です。」との連絡が。朝からてんやわんやです。


会社の人間の無事が確認されたら、今度はいきなり現実に呼び戻されました。

 まず、 東京証券取引所から株式、転換社債、交換社債、株価指数先物の全銘柄の午前の取引開始時刻を9時30分に延期するとの連絡が入り、続いて同所から東京証券取引所は、12日の取引について上場銘柄の制限値幅を通常の2分の1にするとの連絡。


 それを受けて、当社の人間から「当社の運用している投資信託の”外国株や債券を組入れているもの”についての基準価額が出ない」旨を関係会社に連絡するようにとの一斉通達がありました。とにかく投信会社を含め、すべての金融機関は似たような状況なんじゃないでしょうか。




 さて、今後の相場の話ですが、今はなんとも見解がまとまらないようです。朝からいろいろなファンドマネージャーや業界の人達と雑談をしたんですが、総じて楽観的な会話は聞けませんでしたね。


 しかし、期待できるのは、アメリカの対応。ここまでひどいパニックではないですが、過去のニューヨーク株式市場の暴落(ブラックマンデー)後や、91年1月の湾岸戦争突入直後にそれぞれFRBが利下げを実施しています。


 おそらく、今回も一段の景気下ぶれを警戒して緊急利下げに動くでしょう。また、それ以外にもアメリカは設備投資減税の実施や、パニックを防ぐためにあらゆる手を打ってくるでしょう。


 また、日本市場も多くの人が「これで小泉さんも思い切った政策を打つ口実ができた」との判断。前向きにアメリカに協調する動きを見せるんじゃないでしょうか。


 ただ、現時点では、全世界の金融市場がストップしてしまっている状況です。日本の株式市場の動きを見てみても、海外勢からの売りが集中しています。また、世界的な混乱から大幅に売られる個別銘柄も出てくるでしょう。


 ただ、物色する銘柄を慎重に選べば、ここが買い時の銘柄も存在します。具体的には「重」関連やエネルギーがそれにあたります。この状況で銘柄を物色というのも不謹慎な感じもしますが、必要以上の狼狽は避けましょうね。


ルーク luke@kakekomidera.net
「ルーク証券会社」というサイト http://www.sh.rim.or.jp/~redlands/


TOPに戻る




[2001/09/05(水) pm9:00]

日立もPBR1倍割れクラブ入り?

 日立製作所(6501)も株価純資産倍率(PBR)1倍割れクラブの仲間入りなんでしょうか。先週末に2002年3月期の連結最終損益を1400億円の赤字に下方修正しており、この日で4日続落。終値は874円と、今期の赤字を織り込んだ1株純資産(約810円)に接近中。


一時は株価収益率(PER)で100倍を超えた銘柄が、今やPBR1倍割れも否定できない状況です。それにしても、実によく売り物が出るもんですね。先日3日などは取引開始から200万株超の売り注文が殺到し、70円安で寄り付いたのは9時30分過ぎ。個別の外資系の名前を出すと、ドイツやメリルリンチ日本証券の売りが止まらず、午後2時半からは100円安の値幅制限いっぱいとなり、大引けで比例配分、240万株の売り注文を残すという状況です。まずは売り圧力の強さに驚いたというのが本音ですが、問題はなぜここまで売られるかでしょう。


 確かに赤字幅は大きいですが東芝(6502)や富士通(6702)の業績下方修正がすでに伝わり、半導体不況の深さは先刻承知のはず。8月に国際証券が主要な株式投信63本を調べたところ、日立の組み入れ金額は6月時点より大幅に減っているそうです。これは明らかに、半導体関連の先行き不透明感から外す動き。とっくに半導体不況を警戒していた市場を、過敏に反応させた日立の業績修正。そこからは市場の視点の微妙な変化が浮き上がってきます。


 「日立売り」のきっかけの1つはリストラの物足りなさでしょう。リストラ計画は従業員の削減を盛り込んみましたが、削減幅は1万4700人と東芝(1万8000人)や富士通(1万6400人)を下回ります。ましてそのうち7000人が自然減と聞けば、リストラ慣れした市場参加者は「中途半端」(生保系投信会社)としか受け止めないでしょう。より重いのは「日立は違う」という淡い期待の崩壊かもしれません。半導体不況への警戒感から日立株は3月末から7月末まで2%下がりました。ただ東芝(20%)や富士通(30%)、東証株価指数(7%)に比べるとかなり小幅です。


 株価を支えたのは、収益が分散しており、総合電機のディフェンシブ(不況抵抗)銘柄であるから、という見方もあります。半導体依存度の高い東芝などに比べ、日立は半導体事業のウエートの低さがプラスになるはず――。しかし、ここのところの相場はこんな期待が崩れた瞬間でした。


 先週末の業績修正をみた有力アナリストの声を並べてみよう。

「電線など高機能材料の落ち込み幅が大きい」(モルガンの山本氏)、
「半導体の苦戦よりも建設機械などオールドエコノミーの不振が予想外」(ゴールドマン・サックス証券の松橋郁夫氏)。
情報技術(IT)ブームの崩壊が直撃した半導体に限らず、多様な事業に逆風が強まっていることが浮き上がった。

 半導体不況から産業界全般を覆う景気後退へ。こうした現実を市場が改めて気付かされたのが「日立ショック」の正体ではないでしょうか。こんな兆しはあちこちで出ています。先月30日に業績予想を下方修正したコマツ。苦戦していた半導体関連のシリコンウエハー事業に加えて日米の建機需要の落ち込みが直撃してしまいました。


 昨年春に相場が下落してから市場はさまざな銘柄に望みをつなぎ、現実に失望しました。「ソニーは単なるインターネット関連株とは違う」「WDM(光波長分割多重伝送)関連こそIT株の本命」。「日立は単なる半導体関連株とは違う」。これらの期待も今となれば…。


 焦点は現実に気付いた相場の行方です。景気悪化を直視し出したのだとしたら、次は景気悪化を「織り込む」段階に入ります。しかhし、そう悲観ばかりすることもないでしょう。織り込むべきものが見つけられたということは、相場底入れに一歩近づいた証(あかし)なのかも知れないのですから。



ルーク luke@kakekomidera.net
「ルーク証券会社」というサイト http://www.sh.rim.or.jp/~redlands/


TOPに戻る




[2001/08/20(月) am9:00]

今後ソニーはどうなるのか??

先日、手持ちの株式をせっせとソニー(6758)1銘柄に集約し始めた、という個人投資家に会いました。
「ソニーは日本のフラッグシップ・カンパニー。ソニーがダメになるのは日本がダメになるときではないか。ならば最後はソニーにかけてみる」というのです。この投資家は昨年来、NTT(9432)とNTTドコモ(9437)で損失を被った。最後にソニーでダメならあきらめもつく、というわけ。


ソニーに対する信頼は、個人投資家のみならず海外投資家の間でも絶大です。サイバー時代を切り開くフロントランナーとして、いまだに成長イメージが強いです。ですから、前年同期比9割の連結営業減益となった第1四半期決算に、市場の一部は大慌てしたのでしょう。5月高値から6割近い水準に下落した株価を、今後どこまで戻すことができるかは、年度下期にかけてどれだけ業績を立て直せるかにかかっています。


 そんなこんなで、株式市場の関心が再び企業業績に向かっています。ソニーの大幅減益に始まって、富士通(6702)の営業赤字、NEC(6701)の7割営業減益、そして松下(6752)が初の営業赤字に転落と、ハイテク企業の第1四半期決算はIT(情報技術)バブル崩壊の破壊力を見せつけました。



今後さらに落ち込んでいく可能性も・・・

 前週後半、これらの銘柄は急落の反動で反発しましたが、業績悪をこれで織り込んだとは思えません。7月下旬のハイテク企業の四半期決算が業績に対する「サプライズ」の第1弾だとすれば、第2弾、第3弾がやってくる公算が非常に高いです。まず、足元で生産の落ち込みが続いていること。グラフは製造工業生産予測指数(季節調整済み)の推移。既に鉱工業生産指数はITバブルが急膨張する以前の1998年並みの水準にありますが、今後さらに落ち込んでいく可能性も。


 また、これに拍車をかけそうなのが、大企業による設備投資の抑制です。松下の1000億円、ソニーの500億円など、業績の予想以上の悪化に見舞われた企業が、四半期決算の発表時点で相次ぎ投資計画の削減を打ち出しました。



今後の、米国景気はどのようになるか??

 「下期回復シナリオ」の唯一のよりどころである米国景気はどうでしょう。4-6月期の国内総生産では、米国経済が個人消費頼みであることが浮き彫りになりました。減税や利下げ効果があっても今後、個人消費がさらに拡大して景気をけん引するとは考えにくいです。今年後半の米景気は企業の設備投資がどれだけ回復するかにかかっていると言えそうですが、業績の悪化が設備投資の意欲を減退させているのは米企業も同じでしょう。



減収幅はさらに広がる??・・・

 先日、業界では有名なストラテジストの方とお会いする機会があったんですが、その方は「今期の業績見通しをもう一段厳しく見なければならない」とばっさり。彼が期初に予想した上場企業の2002年3月期の連結業績は、製造業で5%の減収、27%の営業減益という数字。横ばいが大半を占めた業績予想の中では突出して低かった。それでも「企業のリストラ努力を見込んだ点などが甘かった」。今の生産の落ち込み具合からして、減収幅はさらに広がるのは間違いないとみられています。



日本の製造業の優位性が失われたことを暗示??

 もう一つ指摘するのは「ITブームが覆い隠していたが、日本の製造業のビジネスモデルはもう世界に通用しないのではないか」という点です。

 アジア各国・地域の数倍の人件費をかけて日本企業が利益を出してきたのは、生産技術のアドバンテージがあったから。しかし日本企業の海外進出とともに、この技術は急速に中国などに流出し始めました。円安の下支えがありながら大幅減益、赤字続出となったハイテク企業の第1四半期決算は、世界的な需要の減少だけが原因ではなく、日本の製造業の優位性が失われたことを暗示しているというわけです。


 さて、彼が予想するハイテク企業の通期業績は「ソニー、松下で1000億円を超える連結営業赤字」。ソニーが本当に日本のフラッグシップ・カンパニーであるのかどうか、結論が出るのはそう遠くないのでは。


ルーク luke@kakekomidera.net
「ルーク証券会社」というサイト http://www.sh.rim.or.jp/~redlands/


TOPに戻る




[2001/08/03(火) am12:00]

今後のアメリカ市場の動向について

1日の米国株式市場ではナスダック総合指数が続伸しました。
メリルリンチが半導体と半導体製造装置、合計19銘柄の投資判断を引き上げたことが手掛かり。朝方からハイテク株の高さが目立ち、フィラデルフィア証券取引所の半導体指数(SOX)は前日比5%上昇です。



メリルリンチのアナリストはリポートでは・・・

 半導体業界は過剰設備や需要の弱さとなお格闘中ですが、「最悪の落ち込みは過去のものと信じる」と指摘。収益予想の安定化や設備投資の底入れを背景に「今後6―12カ月に半導体株は市場平均を上回って上昇するだろう」と今後の上昇を見込んだ買いを推奨しました。



アメリカの某マーケットアナリストは・・・

 「今日はメリルリンチのコメントによる『ハイテクの日』だった。
 ダウ平均は反落したが、インテルやIBMなどハイテク株は総じて高く、モメンタム(相場の勢い)は維持された」と、この日の相場を総括しています。


 ただ、メリルリンチのリポートを読むと、同じ半導体でもパソコン向け超小型演算処理装置(MPU)の価格競争の激化から、インテルやアドバンスト・マイクロ・デバイスには慎重な見方を維持しています。市場では「半導体などのテクノロジーセクターが底を付けたとしても、底の期間が来年まで続き、すぐに回復することは期待できない」と警戒する声も多いですね。



結局は、米国内の消費次第か?・・・


 この日に発表された7月の全米購買部協会(NAPM)景気指数は43.6%と6月の44.7%から低下しました。
 「製造業の弱さを確認した」との受け止め方が多いですが、発表直後にダウ平均が上昇する場面もありました。しかし、これは弱い数値を受けた利下げ期待の買いではなく、内訳の在庫指数の低下を好感したという解説が聞かれました。


 在庫調整の進展は今後の積み増しにつながるため、回復の兆しとも言えますが、「最終需要が回復しなければ大幅な在庫調整にはつながらない」との見方も少なくありません。外需に期待しづらいだけに、結局は米国内の消費次第と言えそうですね。


ルーク luke@kakekomidera.net
「ルーク証券会社」というサイト http://www.sh.rim.or.jp/~redlands/


TOPに戻る




[2001/07/24(火) am9:00]

アメリカ市場の今後の動向について

 今週の米国市場では、本格化している4―6月期の決算発表や経済指標をにらみつつ、米国経済の底入れ時期を見極めようとする展開が続きそうですね。


ハイテク関連企業の収益見通しは・・・

 前週からハイテク関連を中心に先行きの収益に慎重な見通しを示す企業が相次いでおり、株式相場の上値は重そう。一方で、年後半から翌年にかけての収益回復期待が残っている限り、機関投資家からの押し目買いも続きそう。前週の株式相場は一進一退。日替わりで企業収益を取り巻く強弱感が対立しました。

 ハイテク業界でノキアなど先行きに強気な見通しを示した企業は少数派。むしろ視界(ビジビリティー)の悪さを指摘する企業が目立ち、高安を繰り返してナスダック総合指数は週間で2.7%下落。S&P500種平均は0.4%の下げ。ストレージ(外部記憶装置)のEMC、半導体のインテル、ネットワークのノーテル・ネットワークス、パソコン(PC)のゲートウェイ、ソフトウエアのマイクロソフト、総合情報サービスのIBMなど各業種の代表企業が明らかにした年後半の収益見通しは、軒並みアナリスト予想を下回りました。

 なかでも市場に波紋を広げたのがマイクロソフトの収益見通し。7―9月期と2002年6月期通期の売上高や一株当たり利益が市場予想を下回ると明らかにしました。26億ドルに及ぶ株式評価損計上と併せて4―6月期の売上高が市場予想を上回ると発表してからわずか一週間しかたっていません。10月に新基本ソフトの「ウィンドウズXP」を発売予定。PC販売などの起爆剤、相場上昇のけん引役としての期待はもろくも崩れた形。むしろ、9月まではPC販売が一段と落ち込む公算が大きいでしょう。

アナリスト予想の集計によると・・・

 アナリスト予想を集計したファースト・コールによると、S&P500種採用企業を対象にした7―9月期のEPSは前年同期比9%の減益。一週間前の7.5%から減益率は拡大した。10―12月期についても増益率はわずか2.4%(先週は3.7%)。10―12月期の増益期待すら懐疑的になってきてしまいました。なかでもテクノロジーは1―3月期から四半期ごとに40%減、64%減、56%減、32%減と年内は大幅な減益基調が続きます。減益率での底が7―9月期にずれ込む可能性も高まってきました。

 もっとも、前週はダウ工業株30種平均が40ドル弱上昇。ナスダックやS&P500も節目の2000や1200をそれぞれ維持しており、底堅さも印象付けられました。スタンダード・アンド・プアーズによると、2002年の予想EPS(2001年予想比26%増の62.33ドル)を基に計算したS&P500採用企業の株価収益率は19.3倍。翌年の企業収益回復期待が機関投資家の押し目買い意欲を支えています。

今後の決算発表は・・・

 決算発表は今週も続く。23日のテキサス・インスツルメンツやAT&T、24日のアマゾン・ドット・コム、ルーセント・テクノロジーズ、25日のコンパック、26日のクアルコムなどが関心を集めそう。ハイテク以外では石油関連が24、25日に。デュポン、スリーエム、マクドナルドなどダウ平均採用銘柄も8社が発表を予定しています。決算以外では23日に国際半導体製造装置材料協会が公表するBBレシオ(出荷額に対する受注額の割合)も注目ですね。


アメリカ債券相場の行方・・・

 経済指標では週末の国内総生産(GDP)伸び率が最大の関心事。0%―1%台の予想が中心(コンセンサスは1.0 - 0.9%)だが、米景気の足元の悪化度合いに焦点が当たる契機になります。

 先週のグリーンスパン米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言は短期的な景気の下振れ懸念に焦点があたり、一段の金融緩和期待が広がりました。今週も議長は上院の銀行委員会で証言予定。議長証言については翌年以降の景気に対する楽観を指摘する向きもあり、改めて関心を集めよう。ただ、金融市場は8月の0.25%利下げを8割方織り込んでいます。再び上昇し出した原油価格などが波乱材料になり得るが、債券相場の上値は限られそうです。


ドル高政策に変更はあるのか?

 週末の主要国首脳会議(ジェノバ・サミット)では外国為替に特には言及されなかってようですね。ただ、ドル高で収益が目減りする企業が相次ぎ、にわかにドル高政策の行方に対する議論が高まっています。急速なドル安は米国への資本流入を妨げるとともに、株式など資産価値の目減りにつながりかねず、ドル高政策の放棄に現実味はありません。

ただ、「一段のドル高は現在の米国にとって利益でない」との見方は共通認識です。改めて緩やかなドル安を予想するエコノミストが増えています。


ルーク luke@kakekomidera.net
「ルーク証券会社」というサイト http://www.sh.rim.or.jp/~redlands/


TOPに戻る




[2001/07/07(土) am7:40]

株、年金など指数連動型運用へ回帰

NT倍率10倍割れが示唆?

 10日の東京株式市場は日経平均株価が5営業日ぶりに反発。昼休みのバスケット取引で買い決めが優勢だったところに、塩川正十郎財務相が株価下落について「重大な関心を持って活性化に努力したい」と発言したとの報道が伝わり、先物が買い戻されましたね。

 とはいえ、日経平均の上げ幅はわずか60円。前日に13週移動からの下方かい離率が9%に達していたわりに反発力の弱さは否めません。ハイテク株の上値の重さが主因ですが、市場では「原因は年金基金や投資信託の運用手法の変化にある」との声も出始めました。

 情報技術(IT)バブルの崩壊で、痛手を負った投信や年金などが日経平均への寄与度が大きいハイテク株のウエートを下げる一方、その他の銘柄の構成比率を上げる動きが本格化しているためです。
 投資信託協会が毎月まとめている投信の業種別組み入れ比率がそれをうかがわせます。

 最新の5月末時点での組み入れ比率(時価総額)はハイテク中心の電気機器が24.8%とピークの2000年8月(30.8%)に比べ6ポイントも低下。一方、食品、化学、不動産などは軒並み上昇。特に2000年8月に4.0%だった輸送用機器は5.5%、電気・ガスも0.6%から1.9%へと比重を増したのが目立ちます。某大手投資顧問の知人は「ハイテク株の比率を下げつつ、都市再生や雇用拡大など政策テーマに沿った銘柄を新規に組み入れている」と言っていました。

 年金も同様。企業年金を受託する某投信投資顧問の運用部部長は「株式のかなりの部分を指数連動型の運用に切り替える動きが目立ち始めた」と指摘しています。従来は、IT関連を中心にポートフォリオを組むことで、指数を上回る運用を目指す年金が主流でした。それが株価下落で景気の波に左右されにくいディフェンシブ運用に回帰しつつあります。運用成績が厳しく問われる確定拠出型年金(日本版401k)の導入もあり、指数連動型の運用ニーズは増えそう。

 しかし、結果として日経平均の上昇余地は限られます。日経平均を東証株価指数で除したNT倍率が6月27日以来、10倍を下回っているのはこうした動きを反映しているのかもしれません。


ルーク luke@kakekomidera.net
「ルーク証券会社」というサイト http://www.sh.rim.or.jp/~redlands/


TOPに戻る